一日の睡眠時間は成人の場合、6~7時間前後が理想と言われていますが、冬は夏に比べて10~40分程度必要とする睡眠時間が長くなるそうです。
また、季節だけでなく年齢や生活習慣、その人のおかれた環境により最適な睡眠時間が変わってくることも分かっています。
朝自然に目が覚めるか、昼間に強い眠気を感じることがないか、睡眠中に目覚めることがないか等を意識し、自分の睡眠が十分に足りているかどうか考えてみましょう。
さらに、良い睡眠のために注目したいのが睡眠の質です。
生活において何時間睡眠に充てられるかどうかはその人の環境によって変わってきます。
好きなだけ寝ることができればいいのですが、仕事や家事、育児等、やりたいことがたくさんあって、睡眠に充てる時間がなかなか増やせないという方も多いのではないでしょうか。
少ない睡眠時間でも心と体をしっかりと休ませ、回復できるよう、睡眠環境を整えることで、効率よく、質の良い睡眠を目指しましょう!
五感で考える快適な睡眠環境
①温熱感覚
ある調査研究から就寝前に過ごす部屋の室温が低いと、眠りにつくまでの時間が長くなることが分かっています。冬の室温は16~19℃に設定しましょう。
また、布団の中の温度は33℃前後で一定に保つことが重要だと言われています。
冬は布団も冷え切っています。布団乾燥機や湯たんぽなどを使い、事前に布団を温めておくといいでしょう。
湿度は50%前後が理想です。
エアコンなどの使用により冬の寝室はとても乾燥しやすくなっています。加湿器などを上手に使い調整することが大切です。 また、加湿器がない場合にはコップにお水を入れて寝室に置いたり、濡れタオルを干したりすることで少しですが手軽に加湿することができます。
② 聴覚
よく睡眠の妨げになるといわれているのが音です。クラクションやサイレンの音で夜中に目が覚めてしまった経験がある方は多いと思います。40デシベル以上の音は睡眠の妨げになると言われています。
反対にホワイトノイズと呼ばれる、同程度の周波数が均等に広がっているような音は聞くことで入眠しやすくなるという報告があります。テレビの砂嵐や換気扇の音、雨の音等が代表的ですが、今では専用の家電やアプリ等でも気軽に取り入れることができます。
③ 嗅覚
睡眠前や起床時におすすめの香りもあります。
ラベンダーやカモミール、サンダルウッドなどは心を落ち着かせて安眠へと導く効果が期待できると言われています。
また、柑橘系の香りや、ペパーミント、ユーカリなどのリフレッシュ系の香りは爽やかな目覚めを手助けしてくれます。
④ 視覚
光は体内時計の調整やメラトニンの分泌に関与し、夜の睡眠に大きく影響しています。
1.朝起きたらすぐカーテンを開け、日光を浴びること
2.日中、なるべく多く日光を浴びること
3.寝る少し前から目から入る光を優しい光に変えること
これだけでも質の良い睡眠のための第一歩となります。冬は日照時間が短いので、意識して日光を浴びるようにしましょう。
⑤ 触覚
寝具やパジャマは季節にあった肌触りの良い素材を選びましょう。
冬のシーツ、布団カバー等はフランネルやボアなどの保温性の高いものがおすすめです。
また、パジャマは保温性だけではなく、汗の吸収に優れているかどうかも大切です。冬もコップ一杯程度の汗をかくと言われており、汗は寝冷えの原因になります。汗のかきやすさ、暑がりかどうか、肌の弱さ等、自分の体質も考慮して、コットンニットやパイル素材などなるべく肌触りの良いものを選ぶようにしましょう。
睡眠は人生の約1/3、生涯睡眠時間は約25年にも及ぶと言われています。
最近では『健康』や『人生』という大きなテーマと『睡眠』の関係に注目した本が数多く出版されています。
まずは冬の睡眠環境を整えることで、健康な生活と豊かな人生を目指してみてはいかがでしょうか。