日本茶は飲んでも飲まなくても“オイシイ”
「カテキン」という言葉が広まるとともに、お茶は健康にいいということが認知されるようになりました。
同時に、消臭・殺菌など、さまざまな効果が持つお茶の成分に注目が集まっています。また、日本茶は他の国のお茶に比べても非常に丁寧な製造工程を経いているのが特徴です。
その香り高い味わいを引き出すための淹れ方、さらにお茶が持つさまざまな健康効果、飲むだけではないお茶の利用方法をご紹介します。
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虫歯予防の効果も? 驚きの健康飲料
お茶特有の渋みや苦味、これは健康に良い影響を与えるとされる成分によるものです。
代表的な成分はカテキン。動脈硬化やがんの予防、体脂肪の低下に効果があると期待されています。特に緑茶には、カテキンのほかにβ-カロチン、ビタミンE、ビタミンCなど抗酸化作用を持つビタミン類が多く含まれており、老化と病気につながる活性酸素を消去してくれるのです。お茶の持つ抗菌作用にも注目。お茶でうがいをすれば風邪の予防に、日常的に飲むことで虫歯の予防にもなります。 まさに驚くべき健康飲料と言えるでしょう。
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淹れ方次第で一段上質の味わい
煎茶の魅力は、湯の温度によって甘みや渋みのバランスが変わること。
旨み成分であるテアニンは50度程度で、渋み成分であるカテキンは80度程度で溶け出しやすい性質をもっています。
渋めのお茶を飲みたいときは高温で、旨みを引き出したお茶を飲みたいときは人肌程度に冷ましたぬるめのお湯で淹れましょう。基本的には、上級煎茶はぬるめのお湯で、普通の煎茶はやや高温で旨みと渋み、香りをバランスよく引き出すのがコツ。
玄米茶やほうじ茶は、渋みや旨みの成分が全般的に少ないため、高温で香りよく淹れます。
ちょっとしたひと手間が、香り高い味わいとほっとするひと時を与えてくれます。
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お茶で生活臭をリフレッシュ
市販の食器用洗剤や消臭剤で緑茶成分が配合されているものがありますよね。これは緑茶の除菌力、消臭力に着目したものです。
昔は掃除の際に畳に茶殻をまくなど、その除菌効果が経験的に生活に取り入れられていました。たとえば、フライパンでお茶を軽く炒ると台所の消臭に、茶殻を容器に入れて冷蔵庫の中に入れておくと消臭剤の役割を果たしてくれます。
魚をさばいた後のまな板は、出がらしの茶葉のお湯で洗うのがおすすめ。生臭さが取れ、抗菌作用も働きます。
茶殻を布の袋に入れると入浴剤にも。お茶の香りでリラックスできます。
香りを他の方法で楽しむなら、アロマポットならぬ「茶香炉」というグッズも日本茶専門店などで販売されています。お茶を加熱して香りを発生させるので、お茶屋さんの前を通ったときのような香ばしさが部屋中に広がります。